放射線技師として働く私は、医療チームの一員として多くの看護師さんと日々接しています。訪問看護に移った方、迷っている方、後悔している方、それぞれから話を聞く機会があります。率直に言うと、「準備なしに飛び込むと後悔する」という声が少なくないのも事実です。
この記事では、訪問看護への転職で失敗しないための具体的な5ステップと、転職前に知っておくべきリアルな本音をお伝えします。「転職してよかった」と思える未来のために、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 訪問看護への転職が増えている背景と理由
- 訪問看護で働くリアルなメリットとデメリット
- 給料・年収の実態と夜勤手当減少の計算方法
- 転職前に確認すべき5つのチェックポイント
- 後悔しない訪問看護ステーションの選び方
訪問看護への転職を考える看護師が増えている理由
医療現場で働いていると、看護師さんが「もう夜勤は体が限界」「人間関係に疲れた」という状況をよく見かけます。実際に、訪問看護の求人数はここ数年で急増しており、転職先の選択肢として選ぶ看護師も右肩上がりに増えています。
病棟勤務から離れたいと感じる背景
放射線技師として同じ現場で働いていると、病棟看護師の業務量の多さを日々実感します。夜勤明けで疲れ果てた顔の看護師さんが「次は絶対に日勤のみで働きたい」とこぼす声を、私自身も何度も耳にしてきました。夜勤による睡眠リズムの乱れ、慢性的な人手不足、そして複雑な職場の人間関係——これらが重なったとき、訪問看護という働き方が「逃げ道」ではなく「新しいキャリアの選択肢」として見えてきます。
夜勤のきつさを感じている看護師さんにとって、日勤中心の訪問看護は体力的な回復をもたらす可能性があります。ただし、後ほど説明しますが、「夜勤がない=楽」とは必ずしも言い切れないのが訪問看護の現実です。
在宅医療ニーズの拡大が転職チャンスを広げている
少子高齢化の加速にともない、日本では「病院から在宅へ」という医療の流れが加速しています。訪問看護ステーションの数はこの10年で2倍以上に増加しており、求人の数もそれに比例して増えています。実際に看護師の方から聞いたことがあるのですが、「転職活動を始めたら思っていたより早く内定が出た」という声も少なくありません。転職を考えているなら、今はチャンスとも言える時期です。
訪問看護で働くリアルなメリット
訪問看護に転職した看護師さんが口をそろえて話すのが、「働き方が変わった」という実感です。具体的にどのように変わるのか、整理してみましょう。
生活リズムが整いやすくなる
夜勤がないだけで、心と体の回復速度が全然違う、とよく言われます。多くの訪問看護ステーションは日勤中心の勤務体制で、土日休みの施設も増えています。放射線技師として同じ現場で働いていると、夜勤明けの看護師さんと、訪問看護に移って数ヶ月後の看護師さんとで「顔つきが明らかに違う」ことに気づかされます。オンコールがある場合の話は後ほどしますが、基本的に生活リズムは整いやすくなると考えてよいでしょう。
患者さんとの関係がより深まる
病棟では担当患者が複数いて、一人ひとりとゆっくり関わる時間を取りにくいのが実情です。一方、訪問看護では1日4〜5件の訪問が基本で、患者さんやご家族と継続的に関わることができます。多くの看護師さんが転職後に「こういう関わり方がしたかった」と話してくれます。看護師として本来やりたかったケアができる、そういった充実感を感じやすい環境です。
給料・年収の実態を知っておこう
厚生労働省の令和5年度介護事業経営実態調査によると、常勤訪問看護師の平均給与は月約46万円、年収換算で約491万円とされています。これは病棟看護師と比較しても遜色ない水準です。ただし、夜勤手当の有無で実際の手取りは大きく変わります。
月4回の夜勤で支給される夜勤手当の相場は約4〜5万円。年間では48〜60万円のマイナスになる可能性があります。転職前に必ず「基本給+各種手当」の合計を確認しましょう。
転職前に知っておきたいデメリットと対処法
「訪問看護は楽そう」というイメージで転職すると、現実とのギャップに悩む方も多くいます。転職前に知っておくべき3つのデメリットと、その対処法を整理します。
- 日勤中心で生活リズムが整いやすい
- 患者さんと深く継続的に関われる
- 給料水準は病棟と遜色ない場合が多い
- 自分のペースで仕事を進めやすい
- オンコールがある施設では夜間対応が発生する
- 一人で判断する場面が多く責任が重い
- 高度な医療処置の機会は病棟より少なくなる
- 移動時間のロスや交通費の計算が必要
オンコールの精神的負担を過小評価しない
「夜勤なし」と聞いて飛びついたけれど、オンコールで週に数回呼び出されるのがつらい——これは訪問看護の転職でよく聞く後悔の声です。オンコールの有無、頻度、当番の回数は施設によって大きく異なります。「夜勤なし=夜は完全フリー」とは限らないという点は、面接時に必ず確認しましょう。
一人判断の責任とどう向き合うか
病棟では何かあればすぐに医師や先輩看護師に相談できます。訪問看護では、患者さんの自宅に一人で訪問し、その場で判断を求められる場面が増えます。臨床経験が浅いうちに転職すると、この「一人判断」がプレッシャーになりがちです。ある程度の病棟経験(最低でも3〜5年)を積んでからの転職が、多くの先輩看護師から推奨されています。
後悔しない訪問看護転職の5つのステップ
転職で後悔しないためには、「なぜ転職するのか」「何を求めるのか」を整理してから動くことが大切です。私自身も転職を4回経験していますが、準備なしに飛び込んだ転職は毎回どこかで壁にぶつかりました。以下のステップを参考にしてみてください。
「夜勤が嫌」という漠然とした感情のままでは、転職後に別の問題が出たとき対処できません。睡眠リズムの乱れなのか、夜間の急変対応が怖いのか、プライベートの時間が取れないからなのか——具体的に言語化することで、自分に合った職場の条件が見えてきます。
「夜勤なし」と書いてあってもオンコールあり、というケースは珍しくありません。月に何回当番があるか、対応範囲はどこまでか、夜間に実際に呼ばれる頻度はどのくらいかを、求人票だけでなく面接で直接確認しましょう。
小規模なステーションは一人あたりの負担が大きく、人が辞めると一気に業務が集中します。スタッフ数が5名以上で、離職率が低い施設を優先的に選ぶのがおすすめです。
転職後に「思ったより給料が下がった」と後悔しないために、現在の夜勤手当・深夜手当の合計と、転職先の月給を比較しておきましょう。年収ベースで考えると差がわかりやすくなります。
訪問看護ステーションの求人は、転職サイトに登録することで比較しやすくなります。複数の施設を見比べることで、条件の相場感もつかめます。一人で判断せず、コンサルタントに相談しながら進めると安心です。
まとめ:訪問看護転職は「準備」が後悔を防ぐ最大の武器
訪問看護への転職は、働き方を根本から変えられる可能性がある選択肢です。日勤中心の生活リズム、患者さんとの深い関わり、病棟に近い給与水準など、魅力は確かにあります。一方で、オンコールや一人判断のプレッシャー、夜勤手当分の収入減など、知らずに飛び込むと後悔する部分もあります。
大切なのは「夜勤が嫌だから」という理由だけで動かないこと。自分が何を求めて転職するのかを言語化し、候補の施設を複数比較し、条件を丁寧に確認してから動けば、後悔のリスクは大幅に減らせます。放射線技師として看護師さんのキャリアの変化を近くで見てきた私から言えるのは、「準備した人が後悔しない転職をしている」という一点に尽きます。
まずは転職サイトに登録して、自分の希望条件に合う訪問看護ステーションの求人を見てみましょう。複数のステーションを比較することで、自分に合う職場のイメージがぐっと具体的になります。
よくある質問
【参考・出典】
・厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi\_kaigo/kaigo\_koureisha/osirase/jigyousha/kaigokeieijittai\_chousa/index.html
・厚生労働省「在宅医療の推進について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou\_iryou/iryou/zaitaku/index.html










